家で準備する新盆(初盆)の迎え方について
親戚が亡くなった今年、うちの実家で初めて新盆(初盆)(にいぼん、またははつぼんと読みます)を迎えることになったのですが、とにかく初めてなので由来や内容、迎え入れるための流れをおばあちゃんの知恵を借りて書いてみます。
新盆(初盆)は四十九日を過ぎてから、初めてのお盆のこと。
故人が束の間、この現世に帰ってくる期間の事で、
亡くなってからも声も姿かたちもないけれどちゃんとその人が
親しい人に迎えられて、ちゃんと生きていたんだな、ちゃんとこの世に存在していたんだなと感じられる行事でもありますね。
昔の人はなかなか粋なことを考えたものだと思います。
簿某スーパーで飾ってあった流れのボード。(笑)
分かりやすいのでパチリ。
お盆の期間の初盆の流れは?
とても分かりやすい例があったので載せておきます
お盆の準備と予定は?
お盆前(盆月に入ったら)
お盆を迎える準備をはじめます。 |
盆月の朔日 |
・盆月の準備は朔日(ついたち)から始まります。 |
・この日にあの世の釜のフタが開いて、ご先祖様の霊が 冥土からそれぞれの家に旅立ちます。 |
寺院への依頼 |
・寺院によっては、ゾウリや白提灯が必要の場合が あるので、習慣をたずねておきます。 |
お墓のお掃除 |
・帰ってこられる霊のために、お墓のお掃除は盆月に入ったらすぐに始めましょう。 |
自宅の準備 |
・盆棚・仏具などの用意。 |
・ローソク・線香などの準備。 |
・盆提灯の組み立て。 |
・新盆の場合は、 |
お見舞者への返礼品の準備。 |
新盆用の提灯の準備(親族など)。 |
12日
準備 |
・お供え物の準備など。 |
・就寝前に仏壇の扉を閉めておく地域もある。 |
毎日拝んでいる仏壇に盆様を迎えてはいけないとされているためで、盆棚をつくるのもそのような理由からと伝えられる。 |
・盆棚は、竹または木製のものとされている。 |
13日(迎え盆)
お盆の入り |
朝=準備 |
・お位牌を仏壇から盆棚に移す。 |
・仏具・御霊膳・花・ナスとキュウリの牛と馬などを供える。 |
・お迎え提灯・お供え物・花・線香・ローソクなどを準備。 |
午前=お墓参り |
・家族そろってお墓参りにゆく。 |
「迎えは早く、送りは遅く」と一般には言われている。 |
・お墓で線香をつけ、その火を提灯に移して持ち帰る。この火が精霊だとも言われている。 |
その火を盆棚の灯明に移すのだが、 最近は火の始末などの心配もあり、 形式的に済まされることが多い。 |
・そのために、電気式の盆提灯が普及してきてる。 |
夕方=迎え火 |
・迎え火をたく。(迎え火の習慣のある場合。) |
戸外が暗くなったら、家の門口や玄関で「迎え火」を たきます。 |
・精霊が迎え火を目印に帰ってくると言われるためで、盆提灯の電気をつけることも同様の意味がある。 |
14日~15日(盆中日)
・お盆中は、灯明を絶やさず 三度の食事は家族と同じものを供えます。 |
(地域により供え物は様々です。) |
・お迎え提灯・お供え物・花・線香・ローソクなどを準備。 |
墓参り |
・家族そろってお墓参りにゆく。 |
「迎えは早く、送りは遅く」と一般には言われている。 |
読経 |
・僧侶を迎えて、読経をしていただく。 |
会食 |
・宗教・宗派に関係なく、親族や故人と親しい人たちを |
招いて、会食をすることが一般的に多い。 |
16日(送り盆)
お盆の明け |
・御霊は午前中まで我が家に居るので、 お供え物をする。 |
・送り火をたいて、御霊のお見送りをする。 |
夕方=送り火 |
・送り火をたく。(送り火の習慣のある場合。) |
戸外が暗くなったら、家の門口や玄関で「送り火」をたきます。 |
・精霊を送る送り火です。 |
「来年もお会いしましょう」という気持ちを込めて送ります。 |
17日
後片つけ |
・処分したくても出来ないようなものは寺院に相談する。 |
家でやること
一連の流れはというと・・・
①仏壇の前に精霊棚を設置して、いわゆる精進料理をそなえます。
たとえば、くだもの・白玉団子や生前好きだったものですね。
②盆提灯を飾る
これは、帰ってくる故人の魂が、迷わないように分かりやすくするために
提灯をかざるそうです。置く場所は、仏壇のそばか(今は少ないと思いますが)、家の前とかですね。
③送りだし
そしてお盆の一番最後の日に、送り火といって、魂をあちらの世界に送り出して終りとするものです。
お盆とはそもそも?
毎年、7月15日前後の数日間に、食べ物や供養物を備えて故人の魂を供養し、苦しみから救うという内容なのですが、
お盆→盂蘭盆会(うらぼんえ)を省略したもので、餓鬼に堕ちて苦しんでいる弟子の母をお釈迦さまが供養して救ったという内容が発端らしい。
お寺では餓鬼の供養をしますが、家では先祖の霊が帰ってくる日として準備をします。
餓鬼(がき、サンスクリット語ラテン翻字: preta、音写: 薜茘多)
仏教において、亡者のうち餓鬼道に生まれ変わったものをいう。preta とは元来、死者を意味する言葉であったが、後に強欲な死者を指すようになった。六道また十界の1つである。十界のうちでは迷界、三悪道(趣)に分類される。
俗に、生前に贅沢をした者が餓鬼道に落ちるとされている。ただし仏教の立場から正確にいえば、生前において強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人が死んで生まれ変わる世界とされる。しかし大乗仏教では、後々に死後に生まれ変わるだけではなく、今生においてそのような行状をする人の精神境涯をも指して言われるようになった。
餓鬼は常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされることがないとされる。長期的な飢餓状態の人間が発症するクワシオルコルの特徴である、痩せ細って腹部のみが丸く膨れ上り、足の甲が浮腫んだ姿が描かれることが多い。
期間は?
「月おくれ盆」といって、1カ月遅くやる場合は、8月の13~16日までです。
地域によって違うので、調べてみてください。
やることその①迎え火
12日の午後夕方から13日の午前中に、精霊棚のセットやその他の準備をして、盆堤灯に火をともす。
13日の夕方に家の前で、オガラを折ってつみ重ね、火をつけて燃し、その場で合掌。
その煙に乗っかって、ご先祖様の霊が帰ってきます。
これが迎えの流れです。
やることその②送り火
16日に、今度は迎え火と同じくオガラを焚いた煙で、あちらへ帰ってもらう作業です。
ただ亡くなってから四十九日が経っていない時などは、まだあちらの階層に入っていませんので、やりません。
盆提灯のいろいろ
祖母のにあった盆提灯がとてもきれいで、子供ながらにうっとりしていた記憶があります。
水を思わせるようなきれいな水色で、そのところどころに桃色の蓮が流れるようにデザインされて、
ライトが走馬灯のように光り、それはそれは、あちらの極楽の世界を連想させる美しさでした。
新盆に限っては昔は白い提灯という決まり・しきたりがあったようですが、
今はそれよりも長く使えるものが好まれているようです。
生きること、人生について考えさせられる期間でもありますね。
ご先祖様を敬い、その子孫としてあちらから見守ってもらいましょう!
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