狼に育てられた子の幼児の影響について




狼に育てられた子(幼児)について、前から興味があり調べてみました。

やはりインパクトが強いため、幾度となく映画やテレビでも取り上げられていますね。

この狼に育てられた子の有名な例としては・・・↓

1920年、インドのベンガルで発見された少女カマラは、生後まもなく狼にさらわれて、約7年間を狼の子として育てられていた。

暗闇でも目が見え、狼のように唸り、四つん這いで歩き、物を掴むのは手ではなく口を使い、水はなめて飲んだ。
カマラはその後10年後に死亡するが、その間、人間として育てられ教育されたが、結局、幼児のようにヨチヨチ歩きで、言葉も不十分なままだった。

これの意味するところは、臨界期を狼として育ったため、カマラの脳神経ネットワークはオオカミ型に形成されてしまい、その後、人間として育てても脳神経ネットワークは人間型には戻らなかった、と言うことである。
言語の臨界期は、8才位がピークで12才位までで、視覚は4才位までが著しいと言われている。

幼児期において環境は大切であり、適切な刺激(教育)の有無によって、その子どもの将来が左右される。

というように、子供、特に幼児期の環境やその時に見聞きしたものというのは、

本当に一生を左右する大事な時期であることがよくわかります。

推定十六歳の時の少女がで三、四歳の幼児と同じ状態だとは。。。

なんとも想像を絶する状態というか、人間として不自然だなぁと感じてしまいます。

と同時に、人間ってあらゆる動物の中でも知性、感情などが発達したある種の特権をもつ生き物なんだなということも考えさせられますね。

狼に育てられた子の有名な本

 

このシングが書いた内容は、

アマラとカマラは動物の子のように重なって眠ったという。

シングの目算によると捕えられた時の年齢がアマラは1歳半くらい、カマラが八歳くらいだ。アマラは1年を待たずして死ぬ。その時の年齢を2歳半とする。重なって眠ている写真があるが、アマラの体型は五歳くらいに見え、すっかり幼児の体型である。ただし、写真は質の悪い写真機(あるいはフィルム)で撮られており、筆も入っているかもしれないので実際はわからない。

知性においてはオオカミのレベルで止まっていた。カマラについて、「狼たちと一緒に、その動物的環境や生活状態の中に八年間もいたということは、次のことを意味していた。すなわち、人間らしい環境や生活状態の中にいる人間の子にはとてもありえないことでも、カマラが狼との生活に順応するため、必要となるあらゆる変容(modification)をとげ、動物として育てられてきた、ということである。こうした変容は、彼女にとって必要なものとなり、彼女の人間的な側面を発達させず、彼女をどのような点からも動物にしてしまった。」と記述されている。
言語や情緒※といった人間的側面は封印され、肉を食うだとか、四足で歩くだとか、暗闇を好むだとかのオオカミの(動物)の本能を習得したのである。シングの目標は人間的側面の教育であったから、あらゆる動物的なものを崩壊し組み立てなおす作業に他ならないので、カマラはかなりのストレスを感じたことであろう。
しかし一度できたものを組み立てなおすのは容易ではなかった。推定十六歳時で三、四歳の幼児であったという。人間的な側面は母親との触れ合いによって、早い時期に決定してしまうことを意味している。その母親がオオカミであった場合は、人間もオオカミにならざるをえない。一度脳にインストールされたものは、変更しずらいことをも示しているといえよう。結論は人間は人間の環境が人間にするということだ。アマラとカマラにとって人間回帰が幸福であったかは謎である。

※ アマラが死んだときカマラは涙を流した。

[アマラとカマラの主なる特徴― 保護されたころ]

○ 犬歯が長く、とがっていた。
○ 口内は真っ赤で、人間の生まれながらの色ではなかった。
○ ひざや腰の関節は開くことも閉じることもしなかった。
○ 二足歩行はできなかった。ゆっくり動くときは手とひざで、速く動くときは四足であった。
○ 顔の表情は、明るく愉快であった。
○ 決して笑わなかった。
○ 手や足は長く、ほとんどひざに届くほどであった。
○ 地面に置かれた皿に口をつけ、飲み食いした。
○ 主な飲み物は牛乳で、水はそれほど口にしなかった。
○ 肉が好きであった。腐肉も食した。
○ 好物は砂糖菓子、牛乳、ビスケット、果物は好きではなかった。
○ はじめ塩は嫌いであった。
○ 衣服を嫌がった。
○ 火に近づこうとしなかった。
○ 日中はものがよく見えなかった。
○ 入浴は嫌いであった。
○ 嗅覚は優れていた。
○ 発見されたとき、人間の音声を持っていなかった。
○ 唯一の声は叫び声ないしは吠え声の類であった。
○ 赤色を好んだ。
○ 孤児院で飼っている動物(ハイエナの子・子ヤギ・ネコ…)と遊ぶのを好んだ。

 

狼に育てられた子がテーマの映画

仏蘭西の映画監督フランシス トリュフォーの作品の中に『野性の少年』が在ります。
18世紀末フランスのアヴェロンの森で発見させたアヴェロンの野生児(狼少年)ビクターの実話を元にトリュフォーが映画にしました、実話にほぼ着実に作られたようで、ビクターの役の少年も演技をしているように見えなく、とても良い映画作品だそうです。狼に育てられ保護されたてヴィクターを自分の元に引き取り人間として育てて行くイタール博士役には監督自身のトリフォーが出演してます。

子育てしている身としては、いろいろ勉強になりますね。

一度、映画でもみてみたいものです!




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です